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『自分を捨てる仕事術』第1章を動揺しながら読む

「自分らしさ」や「個性を大切にする」という最近の流れとは正反対のタイトルに心がザワつきました。

著者はアニメプロデューサーの石井朋彦さんです。

石井さんはスタジオジブリに入社し、プロデューサーの鈴木敏夫さんの下で、

「自分を捨てて他人の真似をするという仕事術」を教わったそうです。

 

この本は第3章までありますが、頭が追いつかないので1章ずつ書きます。

 

何度も心がザワザワしました。

でも「自分らしさ」って何?と思っている人は読んでみると何か発見があるかもしれません。

目次

第1章「自分を捨てて他者を真似る」

自分を捨てておれの真似をしな

「これから3年間、自分を捨てておれの真似をしな。自分の意見を捨てて、くもりなき眼(これは『もののけ姫』の主人公アシタカの台詞です)で世界を観ること。それを3年間続けて、どうしても真似できないと思ったところが、君の個性ということになるから」

 出典:『自分を捨てる仕事術』鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド

これは石井さんが鈴木さんから言われたことだそうです。

 

石井さんが徹底的に鈴木さんに言われたことを真似し続けて習得したもの、

「俯瞰の視点」

自分の意見を一切入れないことで、「何か言わなきゃ」とか「自分の意見は違う」とかを考えなくて済むので、周りを見ることに集中できるということです。

「さっき、◯◯さんがおっしゃったように」は究極の言葉

自分の意見を一切入れなければ、意見を求められた時に困りそうですよね。

 

意見は他人の「真似」でいい

 

「さっき、〇〇さんがおっしゃったように」などの枕詞をつけて、

まず相手を立ててから、相手の意見を自分の意見と関連づけて話す。

相手の意見を自分の意見として取り込む瞬間こそ、もっとも「自分を捨てる」必要がある。そのアイデアや意見は、「あなたにもらったものなのだ」と表明することが大切なのです。

鈴木さんはいまもよく、

「石井はよく知ってるけどさぁ」

と言いながら、議論を活性化させます。その瞬間は、ぼくにとってとても心地よい瞬間です。たとえ鈴木さんの手の上で踊らされている、とわかっていても。

出典:『自分を捨てる仕事術』鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド

「自分」とは 何か

石井さんはこう書いています。

自分なんてどこにもいない。

自分のなかには何もない。

何かあるとしたら、それは外、つまり他人のなかである。

出典:『自分を捨てる仕事術』鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド

じゃあ「自分らしさ」って一体なんだったんだろう?

私たちは存在しないものを追いかけていたんだろうか・・・。

 

 「身体(からだ)」や「殻(から)」は、「空(から)」

いったん、自分を空にして真似してみる。

そのなかで、自分のなかに残るものだけを、「必要なもの」だと判断し、なじまなかったものはきっぱりと捨てる。

出典:『自分を捨てる仕事術』鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド

これが最初の鈴木さんの言葉の

「どうしても真似できないと思ったところが、君の個性ということになるから」

なのですね。

 

他人を真似るということは、

自分にとってはエゴまみれの自分をふるいにかけて必要なものだけを残す行為であり、 

 真似した相手へは相手を理解し尊敬の念が残る行為である。

ということです。

最後に

第1章を読んで感じたことは、「自分自身の断捨離」も必要だということです。

家の中や人間関係は断捨離するのに、そういえば「自分の断捨離」は考えたこともありませんでした。

 

「自分らしさ」は自由を感じさせてくれる言葉のように思えますが、実際は「自分らしさとは何か?」に振り回されていた気がします。

「自分らしさを追い求めることが目的になって、自分らしさが足枷となる」

ということに気づかせてくれた第1章でした。

 
第2章は【実践編】↓